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farce 笑劇・茶番

farce / fáːrs

笑劇、道化芝居、茶番、ばかばかしい状況、こっけいな仕草、おもしろおかしく味付けする

History repeats itself, first as tragedy, second as farce.
歴史は繰り返す、一度目は悲劇として、二度目は茶番劇として。

※ドイツの経済学者、哲学者、革命家 カール・マルクスの言葉
farce の訳語をどうするかで悩んだが上記の通り “茶番劇” とした。通常は “喜劇” と訳される事が多いのだが、それだと込められた皮肉が若干薄まるような気がする。ちなみに「歴史は繰り返す」という言葉自体はドイツ観念論の大家であるヘーゲルが言ったもので、マルクスはそれに言葉を付け足す形で皮肉を言ったものと思われる。

(be) nothing but a farce まるで茶番である
expose ~ farce ~が茶番[役に立たたず]であることを暴露する[証明する結果となる]
perpetrate a farce 茶番を演じる、物笑いになる

語源 ラテン語 詰め込む farcire
※宗教劇の幕間に笑劇が上演されたことから

comedy 喜劇

comedy / kámədi, kɔ́mədi

喜劇、コメディ、喜劇的な事、喜劇的な場面

All I need to make a comedy is a park, a policeman and a pretty girl.
私が喜劇を作るのに必要なのは、公園と警官と可愛い女の子だけだ。

※イギリスの喜劇俳優、映画監督 チャールズ・チャップリンの言葉

play a comedy コメディを演じる
comedy duo お笑いコンビ
comedy show お笑い番組
Divine Comedy 神曲 ※ダンテ作
romantic comedy ラブコメディ、ラブコメ ※ラブコメディは和製英語
situation comedy シチュエーションコメディ、シットコム(sitcom)
slapstick comedy スラップスティックコメディ、どたばた喜劇
stand-up comedy スタンドアップコメディ
I’m just doing comedy with you. ちょっとおどけてみただけですよ。

語源 ギリシャ語 喜劇 kōmōidia (kōmos 「宴会」 + aeidein「歌う」)

sin (宗教・道徳上の)罪

sin / sín

(宗教・道徳上の)罪、(世間の習慣や作法に対する)違反・過失、罰当たりな事(口語)、(宗教・道徳上の)罪を犯す、(習慣や作法に)背く

Other men’s sins are before our eyes; our own are behind our backs.
他人の罪は目の前にある、自分の罪は背中の後ろにある。

※古代ローマの政治家、哲学者、詩人 ルキウス・アンナエウス・セネカの言葉
誰でも他人の過失にはすぐに気づけても、自分の過失には気がつきにくいものである。

(as) ~ as sin とても~(口語)
for one’s sins 何の因果か
commit a sin 罪を犯す
(be) more sinned against than sinning 犯した罪以上に非難される ※ “リア王” より
like sin 激しく・猛烈に(口語)
live in sin (結婚せずに)同棲する(口語)
a sin [sins] against manners [propriety] 無作法
It’s a sin to waste time. 時間を無駄にするなんてけしからん。

語源 古英語 罪 synn

※ここでキリスト教における七つの大罪を紹介する。映画 “セブン” をはじめ、近年物語の題材に使われる事が増えたので知ってる人も多いかも知れない。
the seven deadly sins 七つの大罪

日本語 英語 ラテン語
傲慢 Pride Superbia
嫉妬 Envy Invidia
憤怒 Wrath Ira
怠惰 Sloth Acedia
強欲 Greed Avaritia
暴食 Gluttony Gula
色欲 Lust Luxuria

criminal 犯罪者・犯罪の

criminal / krímənl

犯罪者、犯人、犯罪の、刑事上の、犯罪的な、けしからん、嘆かわしい

The husbands of very beautiful women belong to the criminal classes.
絶世の美女を妻に持つ男たちは犯罪者と同類である。

※アイルランド出身の詩人、作家、劇作家 オスカー・ワイルドの言葉

with criminal records 前科[犯罪歴]のある
criminal act(s) 犯罪行為
criminal case 刑事事件
criminal court 刑事裁判所
criminal record 犯罪歴
habitual criminal 常習犯
vicious criminal 凶悪犯

語源 ラテン語 告訴、犯罪 crimen

※ここで犯人という意味の英語をまとめておく
perpetrator 犯罪者、加害者
culprit (広義では)犯人、(狭義では)容疑者・被告
suspect 容疑者
the accused 被告
offender 違反者

政治・法律の英語には他にも関連語がまとめてあるので見てもらいたい。

crime 犯罪

crime / kráim

犯罪、(法律上の)罪、罪悪、悪事、残念なこと(口語)

Obviously crime pays, or there’d be no crime.
犯罪が割りに合わないとしたら、罪を犯す者などいなくなっているはずだ。

※アメリカの元陸軍士官、元FBI、弁護士、ニクソン政権のメンバー、トークショーの司会者 ジョージ・ゴードン・リディの言葉
英語のことわざに “Crime doesn’t pay./ 犯罪は割りに合わない” というのがあるが、それに対する反論であろうか。冒頭の obviously には “明らかに” という訳語は使わず、後半の仮定法 would be(~だろう)を “はずだ” と強める事によって前半部も強める効果を持たせた。

※※実はリディ自身がウォーターゲート事件の時の隠蔽工作で犯罪の共同謀議、家宅侵入および盗聴の罪で有罪となり、4年半の間刑務所に服役している。出所後はその数奇な人生経験をいかして保守派の論客となり、人気ラジオトークショーの司会者となった。

commit a crime 罪を犯す
crime against the State 国事犯
Crime and Punishment 罪と罰 ※ドストエフスキー
capital crime 死刑に値する重罪
juvenile crime 少年犯罪

語源 ラテン語 告訴、犯罪 crimen

※以下に主な犯罪の呼び名を紹介する。
murder 殺人
homicide 殺人 ※必ずしも犯罪を意味しない(正当防衛など)
assault 暴行、脅迫
battery 暴行、殴打
domestic violence 家庭内暴力
intimidation 強迫、脅迫
property damage 器物損壊
robbery 強盗
burglary 侵入窃盗
larceny 窃盗(米)
theft 窃盗(英)
arson 放火
bribery 贈収賄

政治・法律の英語には他にも関連語がまとめてあるので見てもらいたい。

beat 叩く・(相手を)負かす

beat / bíːt

(連続して)叩く、殴打する、(鳥が)羽ばたく、(波が)打ち寄せる、(卵などを)かき混ぜる、(金属を)打ち延ばす、(迷子や獲物を求めて森などを)探す、(道を)踏み固める、(太鼓を)叩く、(拍子を)取る、(相手を)負かす、克服する、(相手より)先に着く・出し抜く、(人を)参らせる(口語)、騙す(米口語)、(料金などを)ごまかす(米口語)、(太陽光や雨が)降り注ぐ、(心臓が)鼓動する、(連続して)打つこと、(心臓の)鼓動・脈拍、蹄の音、拍子、リズム、(警官などの)巡回区域・持ち場、スクープ(米報道)、へとへとに疲れて、ビート族の

If you can’t beat them, arrange to have them beaten.
相手に勝てない時は、相手の方を負ける様にしむければ良い。

※アメリカのコメディアン、風刺家 ジョージ・カーリンの言葉

off (the) beat テンポを外れて
on the beat テンポに合わせて
beat ~ by A points A点差で~に勝つ
beat ~ hollow [head off] ~を完全に打ち負かす
beat ~ into 強くかき混ぜながら~に入れる、(知識・技を)叩き込む
beat ~ to it ~を出し抜く
beat about 捜し回る、見つけようとする 、風上に間切る(海)
beat a dead horse 死に馬に鞭打つ、無駄な事をする[繰り返す]、決着した話を蒸し返す
beat a [the] drum ドラムを叩く、鳴り物入りで支持する
beat a retreat 逃げ出す、(事業・計画などを)やめる
beat a path 大勢押し寄せる、殺到する
beat around [about 英] the bush (やぶの周りをたたいて)獲物を狩り立てる、遠回しに探る、要点に触れない
beat back 撃退する、食い止める
beat [cudgel] one’s brains 脳みそを絞る、考え抜く
beat down 打ち落とす[倒す]、打ち負かす、値切る(口語)、(太陽光、雨が)降り注ぐ
beat in 叩き潰す、(人を)打って傷をつける、叩き込む
beat iron flat 鉄を平らに打ち延ばす
beat it (命令形で用いて)出て行け
beat off (敵を)追い払う、マスターベーションをする(俗語)
beat out (火を)たたき消す、(金属を)打ち延ばす、(相手を)負かす、(楽曲を)叩いて奏でる、(内野ゴロを)安打にする
beat one’s way (なんとか)前進する
beat the clock (定刻までに)仕事を終える
beat the hell out of ~を叩きのめす(俗語)
beat the pants off ~を叩きのめす、ひどい目に逢わす、パンツを脱がす
beat up (人を叩いて)ひどい目にあわす・傷つける、不意を襲う、(卵などを)強くかきまぜる、~を集める、風上に間切る(海)、(値段を)競り上げる
beat (up) eggs 卵をかき混ぜる[かき混ぜて泡立てる]
(be) in [out of, off] one’s beat 自分の畑である[ない]・専門[専門外]である(口語)
Beats me. 解らない[解りません]。
Doesn’t that beat all! それは驚いた[感心だ].

語源 古英語 bēatan

defeat (相手を)負かす・敗北

defeat / difíːt

(敵・相手を)負かす・破る・倒す、(敵に)打ち勝つ、(計画・希望を)挫折させる・駄目にする、(法律を)無効化する、負け、敗北、挫折、失敗、打倒、打破

Victory is sweetest when you’ve known defeat.
敗北を味わった後にこそ、勝利は最も甘美なものとなる。

※アメリカの実業家、フォーブス誌の元発行人 マルコム・フォーブスの言葉

defeat ~ by a narrow margin ~を僅差で破る
defeat ~ completely ~をこてんぱんにやっつける
defeat a plot 陰謀をくじく
admit [accept] defeat 負けを認める
spell defeat for ~の負けを意味する、~に敗北[失敗]をもたらす
suffer defeat 負ける、敗北する
defeat of a plan 計画の失敗
A victories and B defeats (数字を入れて)A勝B敗
devastating [staggering] defeat 惨敗
self-defeat 自滅

語源 ラテン語 破壊する disfacere (dis- + facere 「作る、為す」)

win 勝利を得る・勝ち取る

win / wín

(試合・戦いなどに)勝つ、勝利を得る、(賞品・賞金などを)勝ち取る・獲得する、(名声・信頼などを)得る、(困難を乗り越えて)~にたどり着く、成功する、勝利、勝ち

※人や集団に “勝つ” と言う場合は defeat や beat を使うのが普通。win には努力の結果として何かを得るというニュアンスがあるので、I won him. だと “私は彼を口説き落とした。” という感じになる。だから “私は彼に勝った。” としたい場合は I defeated [beat] him. とするか、前置詞を用いて I won against [over] him. とする必要がある。

How you think when you lose determines how long it will be until you win.
負けた時にどう考えるかによって、次の勝利をいつ得られるかが決まる。

※イギリスの推理作家・批評家 ギルバート・ケイス・チェスタートンの言葉
文法の問題に出題したくなるような文である。訳文は例によって意訳しているが、理解を深めるために直訳文も掲載しておく。”あなたが負けた時にあなたがどう考えるかが、あなたが勝利を得るまで(の期間)がどれほどの長さとなるかを決定します。”

win or lose 勝っても負けても
win a battle [fight] 戦いに勝つ
win a bet 賭けに勝つ
win a fortress 要塞を攻略する
win a lottery 宝くじが当たる
win at (賭けやゲームなど)~で勝つ
win at cards トランプで勝つ
win an Oscar アカデミー賞を受賞する
win back ~を取り戻す
win by ~ points ~点差で勝つ
win fame and fortune 富と名声を得る
win first place [prize] 1位[等賞]を獲得する
win hands down 楽勝する(口語)
win in (競争など)~で勝つ
win in a contest 競争で勝つ、コンテストで優勝する
win on [upon] ~で勝つ、~の心をつかむ
win one’s confidence ~の信頼を得る
win one’s daily bread 日々の糧を得る
win one’s spurs 初めて名を上げる
win over ~に勝つ
win ~ over [around, round] ~を説得して味方にする
win the summit 山頂に辿り着く
win ~ games in a row ~連勝する
A wins and B losses (数字を入れて)A勝B敗
You can’t win (them all). (人を慰めて)いつも上手くいくとは限らないさ。

語源 古英語 努力する、働く、戦う winnan

triumph 勝利、勝利する

triumph / tráiəmf

勝利、征服、大成功、大手柄、偉業、勝利[成功]の喜び、得意気な表情、(古代ローマの)凱旋式、勝利する、打ち勝つ、成功する、勝ち誇る、凱歌を奏する

Love is the triumph of imagination over intelligence.
愛とは知性に対する想像力の勝利である。

※アメリカのジャーナリスト、編集者、エッセイスト、批評家 ヘンリー・ルイス・メンケンの言葉
love はこの場合、”恋” と訳した方が良いかも知れない。

in triumph 勝ち誇って、意気揚々と、得意満面で
triumph over disease 病気を克服する、病気の克服
achieve a triumph 勝利を得る、偉業を成す
triumph of A over B Bに対するAの勝利
grin of triumph 勝利の笑み
tale of triumph 勝利の物語、武勇伝
shout [cry] of triumph 勝利の雄たけび、勝ち鬨

語源 ラテン語 凱旋、切り札 triumphus
※この語は一説には “トランプ” の語源となったといわれる。

victory 勝利

victory / víktəri

勝利、戦勝、優勝

Invincibility lies in the defense; the possibility of victory in the Attack.
勝つべからざる者は守るなり、勝つべき者は攻むるなり。

※孫子 形篇より
原文は「不可勝者、守也。可勝者、攻也。」で、英訳は私ではなく一般的な訳文である。しかし英訳文を和訳すると「守りに徹すれば負ける事は無く、勝利を得るには攻めることである」という感じの解釈になるが、日本では「勝てそうにない時には守りに徹して、勝てそうな時にのみ攻めよ」という風に解釈される事もある。漢文には様々な解釈の仕方があるのでどちらが正しいとは言えないが、私は後者の解釈を支持する。

achieve victory 勝利を得る
bring victory 勝利をもたらす
claim victory 勝利宣言をする、優勝する
victory bash 祝勝パーティ
victory by default, default victory 不戦勝
victory of A over B Bに対するAの勝利
victory or defeat 勝敗
clear [clear-cut] victory 圧勝、完全勝利
come-from-behind [upset] victory 逆転勝利
decisive victory 決定的勝利
easy [hands-down] victory 楽勝、快勝
lopsided [runaway] victory 一方的な勝利、圧勝
narrow [near] victory 辛勝

語源 ラテン語 勝者 victor
※この単語は現代英語でも “勝者” という意味で使われる。なお日本ビクター株式会社の名称の由来は、創業時のアメリカの親会社の名前が “The Victor Talking Machine Company” だったからであるが、その名称の最も有力な由来の一つに、自分たちの開発した円盤式蓄音機(つまりレコードの原型)が当時の他の蓄音機(エジソンの発明した蝋管式蓄音機)に技術的にもビジネス的にも “勝っている” からという理由で、勝者を意味する victor を会社名に使ったというのがある。