tragedy 悲劇

tragedy / trǽʤədi

悲劇、悲劇的場面[事件]、惨事、惨劇

Tragedy is when I cut my finger. Comedy is when you fall into an open sewer and die.
僕が指を切ったら悲劇、君が下水に落ちて死んだら喜劇。

※アメリカの映画監督、脚本家、俳優、喜劇王 メル・ブルックスの言葉

avert a tragedy 悲劇を回避する
cause a tragedy 惨事を招く、大事故につながる
end in a tragedy 悲劇的結末を迎える
repeat the same tragedy 同じ悲劇を繰り返す
And that would be a tragedy. (前の文を受けて)そうなったら悲劇だ。
What a tragedy! (悲劇を嘆いて)なんて事だ!

語源 ギリシャ語 悲劇 tragōidia (tragos「ヤギ」+ aeidein「歌う」)
※一説ではギリシャ悲劇でサテュロス(上半身が人間、下半身がヤギの姿をした精霊)に扮して歌う俳優がヤギの皮を着たためと言われる。

farce 笑劇・茶番

farce / fáːrs

笑劇、道化芝居、茶番、ばかばかしい状況、こっけいな仕草、おもしろおかしく味付けする

History repeats itself, first as tragedy, second as farce.
歴史は繰り返す、一度目は悲劇として、二度目は茶番劇として。

※ドイツの経済学者、哲学者、革命家 カール・マルクスの言葉
farce の訳語をどうするかで悩んだが上記の通り “茶番劇” とした。通常は “喜劇” と訳される事が多いのだが、それだと込められた皮肉が若干薄まるような気がする。ちなみに「歴史は繰り返す」という言葉自体はドイツ観念論の大家であるヘーゲルが言ったもので、マルクスはそれに言葉を付け足す形で皮肉を言ったものと思われる。

(be) nothing but a farce まるで茶番である
expose ~ farce ~が茶番[役に立たたず]であることを暴露する[証明する結果となる]
perpetrate a farce 茶番を演じる、物笑いになる

語源 ラテン語 詰め込む farcire
※宗教劇の幕間に笑劇が上演されたことから

comedy 喜劇

comedy / kámədi, kɔ́mədi

喜劇、コメディ、喜劇的な事、喜劇的な場面

All I need to make a comedy is a park, a policeman and a pretty girl.
私が喜劇を作るのに必要なのは、公園と警官と可愛い女の子だけだ。

※イギリスの喜劇俳優、映画監督 チャールズ・チャップリンの言葉

play a comedy コメディを演じる
comedy duo お笑いコンビ
comedy show お笑い番組
Divine Comedy 神曲 ※ダンテ作
romantic comedy ラブコメディ、ラブコメ ※ラブコメディは和製英語
situation comedy シチュエーションコメディ、シットコム(sitcom)
slapstick comedy スラップスティックコメディ、どたばた喜劇
stand-up comedy スタンドアップコメディ
I’m just doing comedy with you. ちょっとおどけてみただけですよ。

語源 ギリシャ語 喜劇 kōmōidia (kōmos 「宴会」 + aeidein「歌う」)

thirsty のどが渇いた

thirsty / θɚ́ːsti

(のどが)渇いた、のどの渇く(口語)、(土地などが)乾燥した、渇望して、熱望して

When you’re thirsty it’s too late to think about digging a well.
渇(かつ)に臨みて井を穿(うが)つ。

※日本のことわざ
英文を訳すと、”のどが渇いた時に井戸を掘ろうと思っても手遅れである。” という感じになる。「泥棒を捕らえて縄をなう」や「敵を見て矢を矧ぐ」などと同じ意味のことわざであろうが、恥ずかしながら私は海外のサイトで見つけて初めて知った。なお似たような意味の英語のことわざに、”Don’t lock the stable door after the horse has been stolen. / 馬が盗まれてから馬小屋に鍵をかけるな。” というのがある。

(be) thirsty for ~を渇望して[熱望して]
(be) thirsty for blood 血に飢えている
thirsty ground 乾燥した地面、吸水性の高い土地
thirsty killer 殺人鬼
I’m thirsty. のどが渇いたよ。

名詞-thirsty ~に飢えた(形容詞を作る)
blood-thirsty 血に飢えた、残虐な

starve 餓死する

starve / stáːrv

餓死する[させる]、飢え死にする[させる]、飢えに苦しむ、ひもじい思いをする、~に飢えている、~を切望する、飢えさせて~させる

Feed a cold and starve a fever.
風邪には大食、熱には小食が良い。

※ことわざ

starve ~ into surrender ~を兵糧攻めする
starve [be starved] to death 餓死する
starve oneself ひもじい思いをする
(be) starving for affection 愛情に飢えている
feel starved for accuracy 正確さにひどく拘る
I am starving. 腹ペコだよ。

名詞-starved ~に飢えた・~が不足した(形容詞を作る)
cash-starved 現金に飢えた
fashion-starved 流行に敏感な

語源 古英語 死ぬ steorfan

hungry 飢えた・腹の減った

hungry / hʌ́ŋgri

飢えた、腹の減った、空腹な、腹ペコで、(物・事を)渇望して・切望して、(土地が)不毛の・痩せた

A hungry man is an angry man.
腹を空かした者は怒りっぽい。

※ことわざ

(as) hungry as a horse [bear, hawk, wolf,  など] ひどく腹が減っている
hungry for ~に飢えた、~を熱心に求めて
feel hungry ひもじい思いをする、空腹をおぼえる、腹が減る
get hungry 腹が減る
go hungry 飢える、食べずにいる
hungry land [soil] やせた土地
hungry mouths to feed 扶養家族
hungry times 食糧難の時代
hungry work 腹の減る仕事
I’m hungry to death. 腹が減って死にそうだよ。

名詞-hungry ~に飢えた・~が不足した(形容詞を作る)
energy-hungry エネルギー不足の
love-hungry 愛に飢えた
money-hungry 金に飢えた
resource-hungry (ソフトウェアが)メモリを大量に消費する・メモリをたくさん食う

語源 古英語 hungrig

sin (宗教・道徳上の)罪

sin / sín

(宗教・道徳上の)罪、(世間の習慣や作法に対する)違反・過失、罰当たりな事(口語)、(宗教・道徳上の)罪を犯す、(習慣や作法に)背く

Other men’s sins are before our eyes; our own are behind our backs.
他人の罪は目の前にある、自分の罪は背中の後ろにある。

※古代ローマの政治家、哲学者、詩人 ルキウス・アンナエウス・セネカの言葉
誰でも他人の過失にはすぐに気づけても、自分の過失には気がつきにくいものである。

(as) ~ as sin とても~(口語)
for one’s sins 何の因果か
commit a sin 罪を犯す
(be) more sinned against than sinning 犯した罪以上に非難される ※ “リア王” より
like sin 激しく・猛烈に(口語)
live in sin (結婚せずに)同棲する(口語)
a sin [sins] against manners [propriety] 無作法
It’s a sin to waste time. 時間を無駄にするなんてけしからん。

語源 古英語 罪 synn

※ここでキリスト教における七つの大罪を紹介する。映画 “セブン” をはじめ、近年物語の題材に使われる事が増えたので知ってる人も多いかも知れない。
the seven deadly sins 七つの大罪

日本語 英語 ラテン語
傲慢 Pride Superbia
嫉妬 Envy Invidia
憤怒 Wrath Ira
怠惰 Sloth Acedia
強欲 Greed Avaritia
暴食 Gluttony Gula
色欲 Lust Luxuria

guilty 有罪の

guilty / gílti

有罪の、犯罪的な、罪を犯した、罪の意識のある、やましい所のある

Whoever blushes is already guilty; true innocence is ashamed of nothing.
誰であれ赤面すればそれは既に罪である、真の潔白とは一切を恥じぬ事である。

※スイス出身の哲学者、政治思想家、作家、作曲家 ジャン=ジャック・ルソーの言葉
赤面するのはやましい心があるからだという事だろうが、さすがにキリストの様にやましい心を抱く事が既に罪と言いたい訳では無いだろう。おそらくルソーは倫理観や善悪から解放された状態こそが真の自由だと言いたいのであって、啓蒙時代の保守的なキリスト者に対する皮肉すら感じる。

not guilty 無罪の
(be) guilty [not guilty] 有罪[無罪]である
(be) guilty of ~の罪を犯している
(be) found guilty 有罪を宣告される
feel guilty 罪の意識を感じる、罪悪感を感じる
plead guilty [not guilty] 罪を認める[無罪を主張する]
guilty act 犯罪行為
guilty feeling やましい気持ち
guilty intent 犯意、故意
guilty look 身に覚えがありそうな顔つき
guilty verdict 有罪判決
Guilty [Not guilty]. (陪審評決・裁判長の申し渡しなどで)有罪[無罪]。

criminal 犯罪者・犯罪の

criminal / krímənl

犯罪者、犯人、犯罪の、刑事上の、犯罪的な、けしからん、嘆かわしい

The husbands of very beautiful women belong to the criminal classes.
絶世の美女を妻に持つ男たちは犯罪者と同類である。

※アイルランド出身の詩人、作家、劇作家 オスカー・ワイルドの言葉

with criminal records 前科[犯罪歴]のある
criminal act(s) 犯罪行為
criminal case 刑事事件
criminal court 刑事裁判所
criminal record 犯罪歴
habitual criminal 常習犯
vicious criminal 凶悪犯

語源 ラテン語 告訴、犯罪 crimen

※ここで犯人という意味の英語をまとめておく
perpetrator 犯罪者、加害者
culprit (広義では)犯人、(狭義では)容疑者・被告
suspect 容疑者
the accused 被告
offender 違反者

政治・法律の英語には他にも関連語がまとめてあるので見てもらいたい。

crime 犯罪

crime / kráim

犯罪、(法律上の)罪、罪悪、悪事、残念なこと(口語)

Obviously crime pays, or there’d be no crime.
犯罪が割りに合わないとしたら、罪を犯す者などいなくなっているはずだ。

※アメリカの元陸軍士官、元FBI、弁護士、ニクソン政権のメンバー、トークショーの司会者 ジョージ・ゴードン・リディの言葉
英語のことわざに “Crime doesn’t pay./ 犯罪は割りに合わない” というのがあるが、それに対する反論であろうか。冒頭の obviously には “明らかに” という訳語は使わず、後半の仮定法 would be(~だろう)を “はずだ” と強める事によって前半部も強める効果を持たせた。

※※実はリディ自身がウォーターゲート事件の時の隠蔽工作で犯罪の共同謀議、家宅侵入および盗聴の罪で有罪となり、4年半の間刑務所に服役している。出所後はその数奇な人生経験をいかして保守派の論客となり、人気ラジオトークショーの司会者となった。

commit a crime 罪を犯す
crime against the State 国事犯
Crime and Punishment 罪と罰 ※ドストエフスキー
capital crime 死刑に値する重罪
juvenile crime 少年犯罪

語源 ラテン語 告訴、犯罪 crimen

※以下に主な犯罪の呼び名を紹介する。
murder 殺人
homicide 殺人 ※必ずしも犯罪を意味しない(正当防衛など)
assault 暴行、脅迫
battery 暴行、殴打
domestic violence 家庭内暴力
intimidation 強迫、脅迫
property damage 器物損壊
robbery 強盗
burglary 侵入窃盗
larceny 窃盗(米)
theft 窃盗(英)
arson 放火
bribery 贈収賄

政治・法律の英語には他にも関連語がまとめてあるので見てもらいたい。