throne 玉座

throne / θróun

玉座、王座、(the throne で)王位・王権・帝権、(thrones で)座天使(第3階級の天使)、便器・便座(俗語)

A throne is only a bench covered with velvet.
玉座とはビロードで覆われた長椅子に過ぎない。

※革命期フランスの軍人、政治家、フランス第一帝政の皇帝 ナポレオン・ボナパルトの言葉
いつごろ言った言葉か解らないが、一介の軍人からフランス皇帝まで登りつめた後に没落にまで至ったナポレオンが言うと感慨深いものがある。

abdicate the throne 退位する
ascend the throne 即位する
hug the throne 便器を抱く・便器で吐く(俗語)
pray great white throne 便器で吐く(俗語) ※白い便器にひざまずいて吐く事から
throne room 謁見室、玉座の間
Chrysanthemum Throne (日本国の)皇位 ※菊が皇室の紋である事から
imperial throne 皇位、帝位
royal throne 王位
heir to the throne 王位[皇位]継承者、皇太子、王太子
right to the throne 王位[皇位]継承権

語源 ギリシャ語 玉座 thronos

monarch 君主

monarch / mánɚk, mɔ́nək

君主、国王、皇帝、支配者、統治者、(比喩として、他を圧倒する)王者・帝王、オオカバマダラ(昆虫)

The greatest monarch on the proudest throne is obliged to sit upon his own arse.
最も誇り高き玉座の上の偉大な君主といえど、自らの尻の上に座らざるを得ない。

※アメリカの政治家、外交官、物理学者、発明家、風刺家、アメリカ建国の父の一人 ベンジャミン・フランクリン “Poor Richard’s Almanack“より
arse はイギリス英語で “尻・肛門” を意味する卑俗な言葉で、専制君主に対する皮肉たっぷりの一言である。おそらくはモンテーニュの以下の言葉に影響を受けたのであろう。

私達は竹馬に乗っても何もならない。なぜなら竹馬に乗ってもやはり自分の足で歩かなければならないからである。そして世界で一番高い玉座に上っても、やはり自分の尻の上に座っていることに変わりはない。 – モンテーニュ

absolute monarch 絶対[専制]君主
constitutional monarch 立憲君主
hereditary monarch 世襲君主
monarch (butterfly) オオカバマダラ(昆虫)
monarch of the forest 森の王者(ヨーロッパにおいて動物ではヘラジカ、植物ではオークの事)

語源 ギリシャ語 君主 monarchos

sovereign 主権者・元首

sovereign / sáv(ə)rən, sɔ́vrin

主権者、元首、君主、国王、ソブリン金貨(英:国王の姿が刻まれた1ポンド金貨)、主権を有する、独立した、最上の、至高の、卓越した

We, the Japanese people, acting through our duly elected representatives in the National Diet, determined that we shall secure for ourselves and our posterity the fruits of peaceful cooperation with all nations and the blessings of liberty throughout this land, and resolved that never again shall we be visited with the horrors of war through the action of government, do proclaim that sovereign power resides with the people and do firmly establish this Constitution.

日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。

※日本国憲法前文の冒頭部 当たり前だが和文の方がオリジナルで、英文は一般的な訳文である。

sovereign authority [power] 主権
sovereign bond ソブリン債(国債などの各国政府が発行する債券の総称)
sovereign nation [state] 主権国家、独立国
sovereign prince 元首、君主
sovereign remedy 特効薬、妙薬
sovereign right 国権
sovereign ruler 統治者

語源 アングロフランス語 主権を有する soverein ← 俗ラテン語 他より優る superanus

reign 君臨・君臨する

reign / réin

(君主・帝王の)君臨、支配、統治、治世、御世、在位期間、君臨する、主権を握る、支配する、勢力を振るう

Better to reign in hell than serve in heaven.
地獄で君臨する事は、天国で仕える事に勝る。

※ジョン・ミルトン ”失楽園” より
馴染み深い言葉に言い換えると、”鶏口となるも、牛後となるなかれ” であろうか。本当は “The sovereign reigns but does not rule [govern]./ 王は君臨すれども統治せず。” という文がより単語のニュアンスが掴みやすいのだが、すでに govern の紹介の時に使ってしまったので別の文を紹介した。

during [in] the reign of ~の御世に、~の治世に
under the reign of ~の統治下に
reign in ~で勢力を振るう、~を支配する
reign over ~に君臨する、~を支配する
reign of terror 恐怖時代
the reign of law 法の支配

語源 ラテン語 王位、王権 regnum ← 王 rēx

malady 病気

malady / mǽlədi

病気、疾病、病弊、悪弊

Love’s a malady without a cure.
恋は治療法の無い病気である。

※イギリスの詩人・劇作家 ジョン・ドライデンの言葉
似たようなことわざに “No herb will cure love. / 恋の病に薬無し” というのがある。

social malady 社会の悪弊

語源 ラテン語 病気 malade ← 体調の悪い male habitus

ailment 病気・体調不良

ailment / éilmənt

(症状は軽いが慢性的な)病気・体調不良

An imbalance between rich and poor is the oldest and most fatal ailment of all republics.
富める者と貧しき者との間の不均衡は、全ての共和政にとって最も古く最も深刻な病魔である。

※帝政ローマのギリシャ人著述家 プルタルコスの言葉
プルタルコスの生きた時代のローマは、形式的には共和政でありながらも実質的には皇帝が支配するという “元首政:プリンキパトゥス” であった。共和政ローマの市民は国土に比例して拡大した貧富の格差から生じる様々な問題を武力によって解決する事を望み、強い権限をもった指導者を熱望し、代償として主権と自由を差し出したのである。

chronic ailment 持病、慢性疾患
slight ailment 軽い病気

disease 病気・疾患

disease / dizíːz

病気、疾病、疾患、(社会の)病弊・退廃

※disease は病名がつく様な生物学的な疾患を指し、illness と sickness は主観的な不健康状態の事で sickness の方がやや口語的である。

A disease known is half cured.
病名が解れば半分治ったも同然。

※ことわざ

catch [contract, develop] a disease 病気にかかる
acute [chronic] disease 急性[慢性]疾患
common disease よくある病気
children’s [infantile] disease 小児病
fatal disease 不治の病、死病
geriatric disease 老人病
gum [periodontal] disease 歯周病
lifestyle disease, diseases of longevity 生活習慣病
women’s [gynecological] disease 婦人病
Alzheimer’s disease アルツハイマー病
Graves’ [Basedow’s] disease バセドウ氏病
Parkinson’s disease パーキンソン病

語源 アングロフランス語 病気 desease, desaise (des- + eise 「ease」)

sickness 病気・吐き気

sickness / síknəs

病気、吐き気

Health is not valued till sickness comes.
病気になるまで健康の価値は解らない。

※イギリスの牧師・歴史家 トーマス・フラーの言葉

in sickness and in health 病める時も健やかなる時も
sickness benefit 疾病手当(英)
love sickness 恋煩い
morning sickness つわり、悪阻
motion sickness 乗り物酔い
car [sea, air] sickness 車[船、飛行機]酔い
The sickness unto death 死に至る病 ※キルケゴールの著書

illness 病気

illness / ílnəs

病気、不健康、気分がすぐれないこと

Serious illness doesn’t bother me for long because I am too inhospitable a host.
私は客をもてなすという事をしない人間なので、たとえ重病になってもそれほど困らない。

※ドイツ出身の神学者、哲学者、医者、音楽家、ノーベル平和賞受賞者 アルベルト・シュバイツァーの言葉

die of (an) illness 病死する
fake [feign] illness 仮病をつかう
acute illness 急性疾患
chronic illness [disease] 慢性疾患
illness rate 羅病率
serious [severe] illness 重い病気
slight [minor] illness 軽い病気

imperil 危険にさらす

imperil / impérəl

(生命や財産を)危険にさらす・危うくする

Don’t imperil your life needlessly, but be prudent and careful.
無駄に命の危険を冒すことなく、用心深く慎重であれ。

※ジョージ・アルフレッド・ヘンティ ”By Right of Conquest” より

imperil one’s life 生命を危険にさらす