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sin (宗教・道徳上の)罪

sin / sín

(宗教・道徳上の)罪、(世間の習慣や作法に対する)違反・過失、罰当たりな事(口語)、(宗教・道徳上の)罪を犯す、(習慣や作法に)背く

Other men’s sins are before our eyes; our own are behind our backs.
他人の罪は目の前にある、自分の罪は背中の後ろにある。

※古代ローマの政治家、哲学者、詩人 ルキウス・アンナエウス・セネカの言葉
誰でも他人の過失にはすぐに気づけても、自分の過失には気がつきにくいものである。

(as) ~ as sin とても~(口語)
for one’s sins 何の因果か
commit a sin 罪を犯す
(be) more sinned against than sinning 犯した罪以上に非難される ※ “リア王” より
like sin 激しく・猛烈に(口語)
live in sin (結婚せずに)同棲する(口語)
a sin [sins] against manners [propriety] 無作法
It’s a sin to waste time. 時間を無駄にするなんてけしからん。

語源 古英語 罪 synn

※ここでキリスト教における七つの大罪を紹介する。映画 “セブン” をはじめ、近年物語の題材に使われる事が増えたので知ってる人も多いかも知れない。
the seven deadly sins 七つの大罪

日本語 英語 ラテン語
傲慢 Pride Superbia
嫉妬 Envy Invidia
憤怒 Wrath Ira
怠惰 Sloth Acedia
強欲 Greed Avaritia
暴食 Gluttony Gula
色欲 Lust Luxuria

lose 失う・負ける

lose / lúːz

失う、置き忘れる、(道を)見失う、(道に)迷う、(勝負・試合などに)負ける、見[聞き]そこなう、(時間・努力を)浪費する、滅ぼす、破壊する、(興味・恐怖を)逃れる、(体重などを)減らす、(時計が)遅れる、損害を受ける、損をする、(スピードや人気が)衰える

winの時にも同じ様な説明をしたが、loseも “何かを失う” というニュアンスなので、 I lost him. だと “私は彼にふられた” という感じになる。だから人や集団に “負ける” と言う場合には、defeat や beat を受身で用いて I was defeated [beaten] by him. などとするのが普通である。

※※勝つ・負けるという意味では、win も lose も勝利を “得る/失う” というのが基本的なニュアンスなのだと理解してもらえれば幸いである。

For every minute you are angry you lose sixty seconds of happiness.
1分間怒る度に、あなたは60秒も幸せを逃している。

※アメリカの思想家・詩人 ラルフ・ワルド・エマーソンの言葉

lose a battle [lawsuit] 戦い[訴訟]に負ける
lose an opportunity 機会を逃す
lose color 色を失う, 青ざめる
lose ground (軍隊が)後退する、(議論で)譲歩する
lose heart 落胆する
lose one’s balance 平衡を失う
lose one’s head あわてる、度を失う、夢中になる
lose one’s health 健康を損なう
lose one’s job 職を失う
lose one’s life 命を失う
lose one’s reason [senses] 理性を失う
lose one’s shirt (ギャンブルなどで)無一文になる
lose one’s temper かっとなる
lose one’s way 道に迷う
lose oneself in ~の中に姿を消す、~に夢中になる
lose it 平静を失う、かっとなる、吐き戻す
lose no sleep over [about] ~について眠れないほど心配する(口語)
lose out (不運にも)負ける・おくれをとる・(取引などで)損をする・取り[もらい]そこなう (口語)
lose sight of ~を見失う、~の音信が絶える、~を忘れる
lose time 時間を無駄にする、(時計が)遅れる
lose touch with ~との接触[連絡]を失う、(時勢などに)遅れる、~にうとくなる
lose track of ~の跡を見失う、~を忘れる、~と交渉をもたなくなる
lose weight 体重を減らす、減量する
There’s no time to lose. 一刻の猶予も無い。
What do I have to lose? やってみて損はない。/駄目で元々だよ。

語源 古英語 破壊 los

beat 叩く・(相手を)負かす

beat / bíːt

(連続して)叩く、殴打する、(鳥が)羽ばたく、(波が)打ち寄せる、(卵などを)かき混ぜる、(金属を)打ち延ばす、(迷子や獲物を求めて森などを)探す、(道を)踏み固める、(太鼓を)叩く、(拍子を)取る、(相手を)負かす、克服する、(相手より)先に着く・出し抜く、(人を)参らせる(口語)、騙す(米口語)、(料金などを)ごまかす(米口語)、(太陽光や雨が)降り注ぐ、(心臓が)鼓動する、(連続して)打つこと、(心臓の)鼓動・脈拍、蹄の音、拍子、リズム、(警官などの)巡回区域・持ち場、スクープ(米報道)、へとへとに疲れて、ビート族の

If you can’t beat them, arrange to have them beaten.
相手に勝てない時は、相手の方を負ける様にしむければ良い。

※アメリカのコメディアン、風刺家 ジョージ・カーリンの言葉

off (the) beat テンポを外れて
on the beat テンポに合わせて
beat ~ by A points A点差で~に勝つ
beat ~ hollow [head off] ~を完全に打ち負かす
beat ~ into 強くかき混ぜながら~に入れる、(知識・技を)叩き込む
beat ~ to it ~を出し抜く
beat about 捜し回る、見つけようとする 、風上に間切る(海)
beat a dead horse 死に馬に鞭打つ、無駄な事をする[繰り返す]、決着した話を蒸し返す
beat a [the] drum ドラムを叩く、鳴り物入りで支持する
beat a retreat 逃げ出す、(事業・計画などを)やめる
beat a path 大勢押し寄せる、殺到する
beat around [about 英] the bush (やぶの周りをたたいて)獲物を狩り立てる、遠回しに探る、要点に触れない
beat back 撃退する、食い止める
beat [cudgel] one’s brains 脳みそを絞る、考え抜く
beat down 打ち落とす[倒す]、打ち負かす、値切る(口語)、(太陽光、雨が)降り注ぐ
beat in 叩き潰す、(人を)打って傷をつける、叩き込む
beat iron flat 鉄を平らに打ち延ばす
beat it (命令形で用いて)出て行け
beat off (敵を)追い払う、マスターベーションをする(俗語)
beat out (火を)たたき消す、(金属を)打ち延ばす、(相手を)負かす、(楽曲を)叩いて奏でる、(内野ゴロを)安打にする
beat one’s way (なんとか)前進する
beat the clock (定刻までに)仕事を終える
beat the hell out of ~を叩きのめす(俗語)
beat the pants off ~を叩きのめす、ひどい目に逢わす、パンツを脱がす
beat up (人を叩いて)ひどい目にあわす・傷つける、不意を襲う、(卵などを)強くかきまぜる、~を集める、風上に間切る(海)、(値段を)競り上げる
beat (up) eggs 卵をかき混ぜる[かき混ぜて泡立てる]
(be) in [out of, off] one’s beat 自分の畑である[ない]・専門[専門外]である(口語)
Beats me. 解らない[解りません]。
Doesn’t that beat all! それは驚いた[感心だ].

語源 古英語 bēatan

defeat (相手を)負かす・敗北

defeat / difíːt

(敵・相手を)負かす・破る・倒す、(敵に)打ち勝つ、(計画・希望を)挫折させる・駄目にする、(法律を)無効化する、負け、敗北、挫折、失敗、打倒、打破

Victory is sweetest when you’ve known defeat.
敗北を味わった後にこそ、勝利は最も甘美なものとなる。

※アメリカの実業家、フォーブス誌の元発行人 マルコム・フォーブスの言葉

defeat ~ by a narrow margin ~を僅差で破る
defeat ~ completely ~をこてんぱんにやっつける
defeat a plot 陰謀をくじく
admit [accept] defeat 負けを認める
spell defeat for ~の負けを意味する、~に敗北[失敗]をもたらす
suffer defeat 負ける、敗北する
defeat of a plan 計画の失敗
A victories and B defeats (数字を入れて)A勝B敗
devastating [staggering] defeat 惨敗
self-defeat 自滅

語源 ラテン語 破壊する disfacere (dis- + facere 「作る、為す」)

win 勝利を得る・勝ち取る

win / wín

(試合・戦いなどに)勝つ、勝利を得る、(賞品・賞金などを)勝ち取る・獲得する、(名声・信頼などを)得る、(困難を乗り越えて)~にたどり着く、成功する、勝利、勝ち

※人や集団に “勝つ” と言う場合は defeat や beat を使うのが普通。win には努力の結果として何かを得るというニュアンスがあるので、I won him. だと “私は彼を口説き落とした。” という感じになる。だから “私は彼に勝った。” としたい場合は I defeated [beat] him. とするか、前置詞を用いて I won against [over] him. とする必要がある。

How you think when you lose determines how long it will be until you win.
負けた時にどう考えるかによって、次の勝利をいつ得られるかが決まる。

※イギリスの推理作家・批評家 ギルバート・ケイス・チェスタートンの言葉
文法の問題に出題したくなるような文である。訳文は例によって意訳しているが、理解を深めるために直訳文も掲載しておく。”あなたが負けた時にあなたがどう考えるかが、あなたが勝利を得るまで(の期間)がどれほどの長さとなるかを決定します。”

win or lose 勝っても負けても
win a battle [fight] 戦いに勝つ
win a bet 賭けに勝つ
win a fortress 要塞を攻略する
win a lottery 宝くじが当たる
win at (賭けやゲームなど)~で勝つ
win at cards トランプで勝つ
win an Oscar アカデミー賞を受賞する
win back ~を取り戻す
win by ~ points ~点差で勝つ
win fame and fortune 富と名声を得る
win first place [prize] 1位[等賞]を獲得する
win hands down 楽勝する(口語)
win in (競争など)~で勝つ
win in a contest 競争で勝つ、コンテストで優勝する
win on [upon] ~で勝つ、~の心をつかむ
win one’s confidence ~の信頼を得る
win one’s daily bread 日々の糧を得る
win one’s spurs 初めて名を上げる
win over ~に勝つ
win ~ over [around, round] ~を説得して味方にする
win the summit 山頂に辿り着く
win ~ games in a row ~連勝する
A wins and B losses (数字を入れて)A勝B敗
You can’t win (them all). (人を慰めて)いつも上手くいくとは限らないさ。

語源 古英語 努力する、働く、戦う winnan

triumph 勝利、勝利する

triumph / tráiəmf

勝利、征服、大成功、大手柄、偉業、勝利[成功]の喜び、得意気な表情、(古代ローマの)凱旋式、勝利する、打ち勝つ、成功する、勝ち誇る、凱歌を奏する

Love is the triumph of imagination over intelligence.
愛とは知性に対する想像力の勝利である。

※アメリカのジャーナリスト、編集者、エッセイスト、批評家 ヘンリー・ルイス・メンケンの言葉
love はこの場合、”恋” と訳した方が良いかも知れない。

in triumph 勝ち誇って、意気揚々と、得意満面で
triumph over disease 病気を克服する、病気の克服
achieve a triumph 勝利を得る、偉業を成す
triumph of A over B Bに対するAの勝利
grin of triumph 勝利の笑み
tale of triumph 勝利の物語、武勇伝
shout [cry] of triumph 勝利の雄たけび、勝ち鬨

語源 ラテン語 凱旋、切り札 triumphus
※この語は一説には “トランプ” の語源となったといわれる。

riot 暴動・暴動を起こす

riot / ráiət

暴動、騒動、混乱、一揆、騒擾(法律)、(色彩の)多彩さ・豊かさ、(感情の)爆発・ほとばしり、すごく面白い人[事]、暴動を起こす、放蕩する

A riot is the language of the unheard.
暴動は声無き人々の言葉である。

※アメリカの牧師、公民権運動家 マーティン・ルーサー・キング Jr.の言葉

start [set off, raise] a riot 暴動を起こす
suppress [put down] a riot 暴動を鎮圧する
run riot 騒ぎ回る、(植物が)蔓延る
riot act 騒擾取締令(英国法)
read the riot act to (暴徒に)解散を命じる、~の活動を禁じる、~を叱責する ※騒擾取締令を読み上げて警告する事から
riot gas (暴徒鎮圧用の)催涙ガス
riot police [squad] 機動隊
riot policeman 機動隊員
peasant riot 百姓一揆
a riot of color 多彩な色
a riot of emotion 湧き上がる感情

語源 アングロフランス語 無謀な行動、騒音、混乱 riote

※他の反逆・反乱・暴動を指す単語をここでまとめて紹介する
treason (君主・国家に対する)反逆・反逆罪、謀反
mutiny (艦船・軍隊での)反乱・暴動、(権威への)反抗
revolt (政府・権力者に対する小さな)反乱・暴動、反乱を起こす
insurrection 暴動・反乱
uprising (反乱や暴動の)蜂起
coup d’État クーデター ※フランス語で “国家への一撃” の意、英語では単に coup と表記される事が多い。

slave 奴隷

slave / sléiv

奴隷、奴隷の様に働く人、(欲望・習慣の)とりこ、奴隷の様に働く

Better to starve free than be a fat slave.
太った奴隷になるより、飢えても自由の方が良い。

※古代ギリシャの寓話作家 アイソーポス(英語読みだとイソップ)の言葉
アイソーポスの生涯は謎が多いが、元はサモスの市民イアドモンの奴隷だったという。上記の言葉は “犬とオオカミ” の最後の言葉である。少し長くなるが、全文を紹介しよう。

The Dog and the Wolf
A gaunt Wolf was almost dead with hunger when he happened to meet a House-dog who was passing by. “Ah, Cousin,” said the Dog. “I knew how it would be; your irregular life will soon be the ruin of you. Why do you not work steadily as I do, and get your food regularly given to you?” “I would have no objection,” said the Wolf, “if I could only get a place.” “I will easily arrange that for you,” said the Dog; “come with me to my master and you shall share my work.” So the Wolf and the Dog went towards the town together. On the way there the Wolf noticed that the hair on a certain part of the Dog’s neck was very much worn away, so he asked him how that had come about. “Oh, it is nothing,” said the Dog. “That is only the place where the collar is put on at night to keep me chained up; it chafes a bit, but one soon gets used to it.” “Is that all?” said the Wolf. “Then good-bye to you, Master Dog.”
Better starve free than be a fat slave.

犬とオオカミ
痩せ衰えたオオカミが空腹で死にそうになっている所に、一匹の飼い犬が通りかかった。

犬「やあ兄弟。日々をふらふらと送ってるからそんな事になるんですよ。私の様にきちんとした仕事に就いて、毎日きちんとした食事をもらっちゃどうですか?」

オオカミ「まったくお前さんの言う通りだよ。ただそんな仕事があるのかい?」

犬「簡単な事ですよ。ひとつ私のご主人様に頼んでみますから、一緒に働きましょう。」

こうして犬とオオカミは連れ立って町へ行くことになった。町へ向かう道の途中でオオカミは犬の首に毛が薄くなっている部分がある事に気づき、どうしたのか尋ねた。

犬「大した事じゃありませんよ。夜中に私が逃げ出さないようにと、鎖につなぐ首輪が少しこすれるってだけです。すぐに慣れますよ。」

オオカミ「それ本当かい?そんな事なら僕はさよならさせてもらうよ、飼い犬君。」

– 太った奴隷になるより、飢えても自由の方が良い。

slave away 奴隷の様に働く
slave [worker] ant 働き蟻
slave driver 奴隷監督、人使いの荒い人
slave market 奴隷市場、職業安定所(米俗)
slave ship 奴隷船
slave labor 奴隷の労働、割りに合わない仕事
slave to [of] ~の奴隷、~のとりこ
slave to drink 酒のとりこ、アルコール依存症の人
slave trade 奴隷売買
emancipation of slaves 奴隷解放

語源 ラテン語 スラブ人 Sclavus
※中世初期に多くのスラブ人が奴隷とされた事から

reign 君臨・君臨する

reign / réin

(君主・帝王の)君臨、支配、統治、治世、御世、在位期間、君臨する、主権を握る、支配する、勢力を振るう

Better to reign in hell than serve in heaven.
地獄で君臨する事は、天国で仕える事に勝る。

※ジョン・ミルトン ”失楽園” より
馴染み深い言葉に言い換えると、”鶏口となるも、牛後となるなかれ” であろうか。本当は “The sovereign reigns but does not rule [govern]./ 王は君臨すれども統治せず。” という文がより単語のニュアンスが掴みやすいのだが、すでに govern の紹介の時に使ってしまったので別の文を紹介した。

during [in] the reign of ~の御世に、~の治世に
under the reign of ~の統治下に
reign in ~で勢力を振るう、~を支配する
reign over ~に君臨する、~を支配する
reign of terror 恐怖時代
the reign of law 法の支配

語源 ラテン語 王位、王権 regnum ← 王 rēx

imperil 危険にさらす

imperil / impérəl

(生命や財産を)危険にさらす・危うくする

Don’t imperil your life needlessly, but be prudent and careful.
無駄に命の危険を冒すことなく、用心深く慎重であれ。

※ジョージ・アルフレッド・ヘンティ ”By Right of Conquest” より

imperil one’s life 生命を危険にさらす